凛とした空気の中で、「作田節」の歌持ちが始まりました。
歌持ちとは歌い出し前の前奏のことです。
メロディーを刻み続ける笛、胡弓。リズムを刻む三線、箏、団扇を持った美しい衣装の踊り子さんが入ってきた・・・ 歌が始まる・・・
眠い・・・ とにかく眠い・・・ とてつもなく眠い・・・
もちろんいい意味で、音楽が心地よすぎて体が全て脱力して、座席の中にとろけてしまうんじゃないかと言うくらいリラックスしてしまう。
あまりの気持ちよさに目は閉じ宮森先生が三線を爪弾く姿も見えなくなる。
せっかく大舞台で先生方が弾いているのに。
「早作田節」に入り、抑揚のある曲に目も開くようになると、再び凛とした空気の中で、一音一音丁寧に三線を刻みながら、しっとり歌い上げる先生方を鑑賞することができるようになりました。
しっかり目と耳に焼きつけさせて頂きました!
曲を聴き終えると、全身マッサージを受けたように体がスッキリしていました。
それだけ演奏のクオリティーが高いということか。さすがは先生方!
古典女七踊りの一つである「作田節之踊」は以下の二曲で構成されています。
- 作田節
- 早作田節
作田節(つぃくてんぶし)
誰がすもてなちゃが 手に馴れし扇子や 暑さすだましゅる 頼りなとす
歌意:
誰が作ったものかこの手に馴染んだ扇子は、真夏の酷暑をも涼しくしてくれる重宝なものだ。出典:
沖縄三線 節歌の読み方 大城米雄 編著
早作田節(はいつぃくてんぶし)
夏の日も秋の 情け通はしゅる 手に慣れし扇の 風の涼しゃ
歌意:
暑い真夏にも、秋の気配を運んでくれる手になじんだ扇の風の涼しさよ。出典:
沖縄三線 節歌の読み方 大城米雄 編著