[report]平成29年6月4日 祝いの宴 ④国立劇場で演奏するということ

国立劇場で演奏するということ

野村流音楽協会師範・宮森音楽研究所 宮森信次先生に聞く

ーーー 国立劇場舞台を終えての(率直な)感想を一言お願いします。

国立劇場舞台は初経験でした。何も見えませんでした。

ーーー はい?何も見えないと仰いますと?

開演直前に琉球王朝時代は眼鏡はなかったので、眼鏡は外すよう舞台監督に言われ慌てて外しました。おかげで客席はぼぉーとして何も見えませんでした。

ーーー 国立劇場で演奏するうえで、どのような意気込みで挑みましたか?

国立劇場はとにかく日本一の舞台であることを念頭に失敗は絶対に許されないと肝に銘じ、そのためには稽古しかないと暇があれば歌三線稽古にはげみ本番に挑みました。しかし終わってみるとどのように歌ったか覚えていません。

ーーー 国立劇場に出演するほど上達するには、どのようなことが必要ですか?

上達には簡単な曲でも決して侮らず毎日毎日の稽古をするしかありません。但し自分で間違いなく弾いているつもりでも完全ではなく多少の間違いは誰にでもありますので、正確に歌える人と一緒に弾いて完全な曲にする必要があります。
従って複数の人と一緒に弾いて間違いを早く是正しましょう。

ーーー 演奏中はどんなことを考えながら演奏していましたか?

幕開け斉唱では眼鏡を外していたので何も見えず、ただただ松竹梅の歌詞を思い出しながらひたすら歌詞を間違えないよう歌い続けました。
作田節地謡では舞踊家の阿波連先生の舞踊(の所作)を見ながら発声していました。

短い対談でしたが、国立劇場での演奏という緊迫した状況に対しても、先生の誠実さや温かさを垣間見ることができました。

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