[report]平成29年6月4日 祝いの宴 ②揚作田節・東里節・赤田花風節

幕開けを飾ったのは、「松竹梅」の大斉唱!

幕が上がると盛大な迫力、大量の三線と琴線に触れまくる琴、太鼓に笛に胡弓、そしてそれを奏でる奏者の煌びやかで厳かな衣装、圧巻の迫力です!!
写真でお伝えできないのが残念なところです。
(もちろん会場は撮影録音は禁止されています。当たり前ですね。)

圧巻の迫力に目も耳も慣れて、しっかり音楽を聴ける状態になり、先生を含め先輩方の動作に目を傾けることにします。
大舞台に立った先輩方の表情は、いつもより緊張されているように思われました。
それもそのはず、ここは「国立劇場」の大舞台です!

それでも一糸乱れぬ三線の音色、心を揺るがす歌声、そうまさにプロフェッショナル!

ここで演奏している人間はプロフェッショナルであり、到底わたしなどには辿り着けないことを思い知らされました。

幕開けの「松竹梅」は、祝儀舞踊の一つである「松竹梅之踊」から、最初の三曲を斉唱曲として、演奏したものです。最初の三曲とは、

  • 揚作田節
  • 東里節
  • 赤田花風節

になります。

揚作田節(あぎちくてんぶし)

二葉から出て 幾年が経たら 巌抱き松の もたへ清らさ

歌意:
二葉から芽だしして何年経たであろうか、岩を抱いて立つ松の木の風格のあることよ

出典:
沖縄三線 節歌の読み方 大城米雄 編著

生まれた時は小さな二葉だった松も、時を重ねて成長するにつれ、岩をも抱くほどの立派な松の木に成長する。
人もそのように立派に成長したいという教訓歌であるとともに長寿、年功を称えた歌でもあります。

東里節(あがりさとぅぶし)

肝の もてなしや 竹の如 直く 義理の節々や 中に込めて

歌意:
心の持ちようは竹の如く真っ直ぐに、義理は中に込めて奥ゆかしく。

出典:
沖縄三線 節歌の読み方 大城米雄 編著

人の心の持ちようは実直(竹のように真っ直ぐ)に、義理や節操は心の中(竹の節々の中)に込めて奥ゆかしくありたいという教訓歌であります。

赤田花風節(あかたはなふうぶし)

梅だいんす雪に つめられて後ど 花も匂ましゆる 浮世だいもの

歌意:
梅でさえも冷たい雪に降り詰められ、鍛えられてこそ、咲く花の香も増すものだ。それが世の慣わしなのだ。

出典:
沖縄三線 節歌の読み方 大城米雄 編著

辛く厳しい環境の中でも、その中で不平・不満を言わずじっと耐え忍ぶ。鍛えられた中で人は大成する(咲く花の香も増す)ものであり、人はそうありたいと歌った教訓歌であります。

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